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航空貨物の特徴と利点

●航空貨物の特徴と利点


 国際物流において飛行機を使用した航空貨物のシェアは、重量ではいずれ1%未満と小さいのが現実です。ところが最近、航空貨物に適合する貨 物が増えてきたことにより航空貨物の需要が増えつつあります。航空貨物に適合する貨物というのは、付加価値が高いこと、小型のもので単位あたりの価格が高いこと、運送時間を重視するものであること、鮮度が重視されるものであることなどです。こうした条件に該当するのは、高級ファッション品、精密機器、高級果実、高級鮮魚、新聞・手紙などのドキュメン ト類、宅配便貨物、ハイテク機器、その他高級消費財などです。運賃は高くともスピードの早い航空輸送が採用されるにもそれなりの理由があるのです。


○輸送可能なもの
 航空機で運ばれている貨物には、数えきれない種類のものがあります。 重量貨物、長尺貨物、生鮮食料品、危険品、動   物、コンピュータ、OA機器 、自動車、医薬品など枚挙にいとまがありません。



 

貨物の種類
注意点
重量貨物
 重量貨物を運ぶとき、その貨物が飛行機に搭載可能かを確 かめることが必要となります。航空機の貨物室には重量制限、容積制限の 他に構造上の強度の問題からくる床面荷重制限があります。床面強度を超 える重量貨物の搭載に際しては、床面接触面積を広くする支え板やロープ などにより、床面にかかる荷重を散らすことが必要となります。床面接触 面積が広がるということは、普通より多くのスペースを必要とすると同時 に、搭載に時間がかかるので事前の手配が必要です。
長尺貨物
 長尺(ちょうじゃく)貨物とはパレット、イグルー、コン テナに積むことができないものを指します。長尺貨物はほとんどの場合、 大型貨物専用機(B747F、DC10F)などで運ばれます。上部貨物室にあるノ ーズドアとサイドドアの寸法をよく調べ、その貨物が搭載可能かどうかを 航空会社の搭載専門家と同時に打ち合わせておくことが必要です。
生き物
 生き物を運ぶ際には航空機内の搭載に関して必ず遵守しな ければならない規則があります。生き物にとっては適正な換気と温度調節 が絶対条件となります。貨物室の温度は、機種によっても、また貨物室の 前方と後方とでもことなりますから、飛行中に温度がその生き物に適合し た貨物室に搭載することが必要となります。また、生き物は放射性物質と 隣り合わせにしてはいけませんし、ドライアイスが搭載されている貨物室 にも搭載できません。さらに、とくに犬や猫は遺体と同じ貨物室にも搭載 してはいけません。このような複雑な搭載規則があることを知っておくと 、予期せぬ事故を未然に防ぐことができます。
危険物
 危険物の搭載に関しても、厳しい搭載規則があります。危 険物の定義はICAO規則(IATA第30版改訂版)にはっきりと出ています。火薬 類、ガス、引火性液体、可燃性物質類、酸化性物質類、毒物類、放射性物 質、腐食性物質、その他の危険物(磁性物質を含む)が国連基準に基づいて 危険物です。危険物の中には航空運送が禁止されているものがたくさんあ るから事前の厳重なチェックが必要となります。
 受託された危険物は、その保管や蔵置についても一般貨物以上の配慮が 必要とされます。たとえば、放射性物質の近くに生フィルムや未現像フィ ルムが置かれてはいけませんし、火薬類や腐食性物質などに近づけること も許されません。磁性物質などは、航空機の計器に影響を及ぼす可能性が ありますので、その搭載場所が規定されています。
 危険物のなかには旅客機への搭載が禁止され、貨物専用機にしか搭載で きないものがあります。この種の危険物の搭載場所は特定かつ限定されて いますので、指定の航空機で運ばれない場合があります。事前の予約確認 と航空会社との手配確認が重要となります。



 

○航空貨物の種類
 国際航空貨物市場での航空輸送の形態は3つのタイプの航空機に分けることができます。(1)大型旅客機を利用したもの、(2)貨物専用機の上部および下部貨物室を利用したもの、(3)旅客機と貨物専用機の中間にあるコンビ機を利用するものです。
 コンビ機とはコンビネーション・エアプレーンの略で、上部コンパート メントを二分して、一部を旅客の座席に他の一部を貨物のスペースに使用 するものです。これらの3つのタイプの航空機は貨物搭載能力、特徴、運行試乗、収納可能なパレット・コンテナの種類に差があります。
 各々の路線に運行している航空機のタイプは路線、曜日、経由地、目的 地などにより異なっています。路線別、曜日別、目的地域需要に基づいて 、供給する航空機のタイプを振り分けている為です。ですから、航空会社に貨物を持ち込む際に注意するのは、その荷物がその機種の貨物室に収まるかどうかを確認する必要があります。航空機の機種によって、また同一 機種でも位置によっては貨物室のドアサイズが異なっています。持ち込みの貨物がそのドアから搭載できるかどうかを確かめることが必要となります。航空会社に問い合わせをするか航空会社発行の機種別貨物寸法表により調べることが大切です。
 また、持ち込みの貨物が積み替え空港を経由して目的地に運ばれる時は 、積み替え空港までの航空機のタイプ、積み替え空港から目的地までの航 空機のタイプを確かめることが重要となります。航空機のタイプが積み替え空港から変わる場合は、機種、ドアサイズ、収容コンテナ・パレットの種類、荷役設備などを確かめ、支障のない積み替えが可能かどうかを調べておくことが必要となります。



 

種類
特徴
大型旅客機を利用した航空輸送
 ジャンボ、ジェットB747は貨物のスペースが最も大きく、 25~30トン近くの積載が可能です。しかし、搭載スペースが下部貨物室に 限られるのと、旅客用の手荷物も積載されるので、大型貨物や重量のある 貨物の搭載には制約があります。その他の旅客機ではB707、DC8、B727は貨 物搭載スペースがB747と同様に下部貨物室に限られていて、その搭載量は5 トン前後と小さいのです。
貨物専用機の上部および下部貨 物室を利用した航空輸送
 貨物専用機は床の強度を上げ、上部・下部いずれの貨物室 にも貨物が搭載できるため、貨物搭載量は飛躍的に向上しています。ちな みにジャンボ・ジェットB474F(フレイター)は100トンもの貨物積載能力が あります。その他の貨物専用機DC8F、B707Fでは約30~35トンの貨物積載能 力があり、旅客機と比較するとかなり大きいです。
 大型・中型貨物専用機であるB747F・DC10F・A300F・B707F・DC8Fを運行 している路線は、マーケットサイズが大きく往復需要のバランスがとれて いる太平洋線(とくにアジアとアメリカ間)、アジア線(とくに日本とアジア 間)です。最近はヨーロッパ線にも運行便数が増加してきているのですが、 マーケットサイズが中規模であり、運行効率向上のために共同運行してい る航空会社が多いです。
旅客機と貨物専用機の中間にあ るコンビ機を利用した航空輸送
 コンビ機はB747、DC10などの機種を使用しているものが多 く、比較的旅客需要の多い路線で旅客機だけでは貨物を搭載できない路線 に導入されています。上部の後部貨物室に7パレット分(約15トン)のスペー スがあり、下部貨物室にも15~20トンくらいの搭載が可能です。


○航空貨物の利点
 航空貨物の最大の特色は高速で移動できることなので、輸送時間が短く すむということです。輸送時間の短縮は物流業界において非常に重要な意 味を持っています。具体的には下記のようなメリットがあります。

・緊急書類、小型貨物急送など、緊急を要する輸送に適して いる。

・生鮮類などの変質しやすい商品や生きた動植物の輸送に適 している。

・工場生産において緊急に要する機会部品や生産材料を速や かに調達することができる。

・輸送途中の保管料などの輸送コストを低減することができ る。

・製品の納期遅れをなくすことができる。